住宅リフォーム補助は秋田県内の多くの市町村に用意されており、工事費の10〜30%程度が戻ってくる制度です。では、この補助を外構工事に使えるのでしょうか。県内25市町村を調べたところ、答えははっきりしていました。この記事では、公式サイトで内容を確認できた制度を、外構の扱いという一点で整理します。

結論:多くの自治体が外構を明確に除外しています

確認できた制度のうち、13の自治体が門・塀等のいわゆる外構工事を対象外と明記していました。書き方は自治体によって少しずつ違いますが、除外されているという事実は共通しています。

大館市は「外部水栓・造園・門扉・ブロック塀等の外構工事(解体含む)」を全区分で対象外としています。由利本荘市は造園・門扉・ブロック塀・ウッドデッキ等を挙げ、「住宅ではないので対象外」という理由まで示しています。北秋田市は庭・門・塀・舗装等、三種町は土地の購入や造成と外構工事に係る費用、八郎潟町は車庫・物置・外構工事等、羽後町は倉庫・駐車場・フェンス等の住宅本体以外にかかる経費、という書き方です。

この線引きの根拠は一貫しています。住宅リフォーム補助は住宅の性能や居住環境を改善する工事を支援する制度であり、敷地の外構は住宅本体ではない、という整理です。したがって、カーポート、駐車場の土間コンクリート、目隠しフェンス、門柱、植栽といった典型的な外構工事は、この制度では拾えないと考えて計画を立てるのが現実的です。

25市町村の扱い一覧

公式サイトで確認できた制度を、外構の扱いで分類しました。金額は代表的な区分のもので、世帯類型により異なる場合があります。

市町村外構の扱い補助の目安
大館市対象外と明記(解体含む)10〜30%・上限10万〜70万円
由利本荘市対象外と明記10〜15%・上限10万〜20万円
大仙市対象外と明記(塗装・風除室も対象外)30%・上限50万円ほか
北秋田市対象外と明記10〜15%・上限10万〜30万円
にかほ市対象外と明記5〜10%・上限10万〜20万円
男鹿市対象外(別棟の車庫・物置も対象外)15〜20%・上限30万〜40万円
羽後町住宅本体以外は対象外20%・上限5万〜20万円
小坂町対象外と明記20%・上限20万円
藤里町対象外と明記10%・上限15万円
三種町対象外と明記10%・上限15万円
八郎潟町対象外と明記15%・上限30万円ほか
大潟村対象外(屋根外壁の塗装も対象外)20〜30%・上限80万〜100万円
五城目町原則対象外・一部区分は要確認10%・上限10万〜20万円
美郷町居住部分と関連する場合は対象に含める10〜20%・上限10万〜15万円
井川町リフォームに関わる工事は除外の対象外10〜15%・上限20万〜30万円
能代市公式ページに記載なし10%・上限20万円
潟上市公式ページに記載なし20〜30%・上限20万〜60万円
上小阿仁村公式ページに記載なし10〜20%・上限20万〜50万円
東成瀬村空き家向け・記載なし1/2以内・上限100万円
仙北市市独自制度は令和4年度で終了—
八峰町確認できず—

条件付きで外構が拾える2町

一覧のなかで注目していただきたいのが美郷町と井川町です。

美郷町の住宅リフォーム緊急支援事業は、門・塀などの外構のみの工事は対象外としながら、「居住部分の工事と関連する場合は対象に含める」と明記しています。県内では数少ない、条件付きで外構が拾える書き方です。補助は一般10%で上限10万円、省エネ断熱15%で上限15万円、災害復旧20%で上限10万円。対象工事費20万円以上、町内事業者による施工が条件です。

井川町の住宅リフォーム補助金は、対象外工事の記載が「門・塀等、いわゆる外構工事(リフォーム等工事に関わる工事を除く)」となっています。括弧書きの部分から、住宅リフォームに付随する外構は対象になり得ると読めます。持ち家型10%で上限20万円、中古住宅購入型15%で上限30万円などの区分があり、対象工事費50万円以上、県内に本店を置く事業者との契約が条件です。なお公式に掲載されているのは令和7年度版で、令和8年度版は確認時点で未掲載でした。

五城目町は判断が分かれるケースです。交付要綱では門・塀等の外構工事を原則対象外としていますが、一般世帯(持ち家型)の条項には外構除外の記載がありません。取扱いは建設課への確認が必要です。

記載がない自治体は、確認してから判断してください

能代市・潟上市・上小阿仁村については、公式ページの本文に外構工事の可否が明記されていませんでした。東成瀬村の空き家リフォーム支援事業助成金も、外構が含まれるかどうかの記載がありません。

記載がないことは「対象になる」という意味ではありません。運用上は対象外としている可能性も十分にあります。逆に、対象になる余地が残っている可能性もあります。いずれにしても、工事内容を具体的に示したうえで担当課に確認することが必要です。なお上小阿仁村と大潟村、東成瀬村については着工前申請の要否も公式ページに記載がなく、この点もあわせてご確認ください。

仙北市は市独自の住宅リフォーム補助が令和4年度で終了しており、令和5年度以降の受付はありません。八峰町は確認時点で町公式サイトに接続できず、制度の有無を含めて判断できませんでした。

外構工事を計画するときの考え方

ここまでの整理から言えることは、秋田の住宅リフォーム補助を外構の財源として当てにするのは難しいということです。予算計画を立てる際は、補助が出ない前提で組んでおき、使えるものが見つかったら上積みとして考えるほうが安全です。

そのうえで、外構に補助が届く可能性があるのは次の3つのルートです。ひとつは危険ブロック塀の撤去補助で、秋田市・大館市・にかほ市に制度があります。ふたつめは克雪・雪対策の枠で、横手市の玄関前の融雪設備や塀の撤去、湯沢市の敷地内防雪柵、大仙市の敷地への融雪設備の敷設などが該当します。みっつめが、美郷町・井川町のように住宅本体の工事と関連づけて申請するルートです。

特に3つめについては、外構を単独工事として切り出すのではなく、住宅本体の改修と一体の計画としてまとめられないかを検討してみる価値があります。ただし対象になるかどうかの最終判断は自治体が行いますので、見積もり段階で担当課に相談されることをおすすめします。

手続きの共通点と、情報の確認について

確認できた制度のほぼすべてが、必ず着工前に申請し、交付決定を受けてから工事に着手することを条件としています。三種町は事前着工を認めておらず、八郎潟町は工事前の写真の提出を求めています。契約を先に済ませてしまうと、内容が対象であっても補助を受けられません。

また、対象工事費に下限が設けられている点も共通しています。小坂町の10万円以上から由利本荘市・にかほ市・男鹿市などの50万円以上まで幅があり、施工事業者を市内・町内に本店や事業所を持つ事業者に限る要件も広く見られます。藤里町のように町の認定工事店に限る例もあります。

制度の内容は年度ごとに見直されます。大仙市が令和8年度から一般世帯の区分を廃止した例、小坂町が令和8年4月から対象を断熱化やLED照明、蓄電・蓄熱、EV充電などに限定した例のように、方針が大きく変わることもあります。予算がなくなり次第終了とする制度も多く、年度の途中で受付が終わることは珍しくありません。実際に申請される際は、お住まいの市町村の公式ページで最新の要綱・対象工事一覧・受付状況を必ずご確認ください。